環境に染まることの必要性を説く「プラダを着た悪魔」レビュー

The Devil Wears Prada (1/5) Movie CLIP – Gird Your Loins! (2006) HD

作品・出演者情報

監督

デヴィッド・フランケル

キャスト

  • ミランダ・プリーストリー – メリル・ストリープ
  • アンドレア・サックス – アン・ハサウェイ
  • エミリー・チャールトン – エミリー・ブラント
  • ナイジェル – スタンリー・トゥッチ
  • ネイト – エイドリアン・グレニアー
  • クリスチャン・トンプソン – サイモン・ベイカー
  • リリー – トレイシー・トムズ

個人的レビュー

メリル・ストリープ、アン・ハサウェイの二人が主演を務める超人気映画「プラダを着た悪魔」だが、アン・アサウェイのファンとしてこれまで見てこなかったのを少し後悔している。

もちろん、他の映画作品もとても面白く、アン・ハサウェイという女優の良さは知っているつもりだった。しかし、プラダを着た悪魔における演技もまた非常に素晴らしいものだった。

あらすじは、ニューヨークで新聞記者を目指すアンドレア(アン・ハサウェイ)が、1年間働けばその後のキャリアが広がると言われている超一流ファッション雑誌のランウェイ編集部にて奮闘するというもの。ランウェイのカリスマ編集長がメリル・ストリープ演じるミランダという女性で、世間からはカリスマ、雑誌業界からは鬼と称されている。ミランダから戦場の矢の如く降り注ぐ無理難題を、アンドレアはボロボロになりながらも解決していく。

この映画を見て思ったのは、本記事のタイトルにも書いた通り「環境に染まる必要性」である。アンドレアはランウェイ編集部にジョインした直後は、ミランダを神様のように扱い、奴隷のように雑用をこなす人々を見ておかしいと愚痴を溢していた。しかし、当の本人たちはそんなことは思っておらず、自分のキャリアを切り開くために一心不乱に働いているのである。

昨今日本で叫ばれている働き方改革であるが、その焦点は残業時間の削減に当てられていることがほとんどだ。これは前提として、人々の意識の中に「働くことは嫌なこと」という思いがあるからだ。もちろん、ある程度の残業時間の規制は必要である。どんなに魅力的でやりがいのある仕事だとしても、人間としての限界はあるから。

しかし、本当の働き方改革の理想は、「好きな時に、好きな人と、好きなだけ働ける」だと思う。その意味でいうと、日本の働き方改革はまだまだ先の長い話だ。

ランウェイ編集部の働き方を見てみると、時間的拘束は大きいが、キャリアを見据えて尊敬できる人と一緒に働くという点ではいいのかもしれない。

さて、アンドレアはランウェイ編集部の雰囲気に自分を適応させていくわけだが、その方法として同僚のナイジェルに服を選んでもらう。この辺の動きは映画チックだ。ミランダの扱いに文句を言うアンドレアに対し、嫌なら辞めればいいと言い捨てたナイジェルが、その直後に彼女の服を選んでいる。ましてや直属の部下というわけでもなさそうなので、普通の社会では到底起こり得ないだろう。

これは個人的な推測だが、アン・ハサウェイが綺麗だから助けたのか、それとも裏で色々あったかのどちらかではないか。まあ、一番綺麗な回答としては「職場をみすぼらしい格好で歩くのをファッション業界の人間として許容できなかった」だと思うけど。

それにしても、あの細いアン・ハサウェイが作中では太っている扱いになっているのがびっくりした。いくら何でも無理があるやろと。笑

同僚と比較しても太っている感じはしないし、そんな設定では実際にモデル役として登場する女性のスペックがとんでもないことになる。身長173cmで、なおかつあの美貌。それを超えるキャスティングって難しいのではないか?

まあ、日本人の感覚だと難しいってだけかもしれないけど。実際、パーティー会場でアンドレアが話しかけた女性はとても綺麗だった。

太っていて何が悪いのだという意見ももちろんあるが、一部の場合をのぞいて体型の維持ができないというのは内面の弱さを物語っている。理想とする姿に近づくため、絶えず努力することで4サイズの服が着られるようになるのだ。それは、外見的な美しさではなく、内面の美しさが外見に現れているということだ。同僚のエミリーはパリに行くために体を絞っていた。それがキャリアを良い方向へ導くと信じて。

外見から環境に馴染む努力をしたアンドレアは、それだけで周囲からの目が変わり、日々の仕事に自信を持って取り組むことができるようになる。自信を身に纏うことで、仕事も進めやすくなったのだ。また、彼女を助けてくれる人間にも出会う。その環境にあった服装を心がけるだけで、いくつもの壁を乗り越えることに成功した。

一方で、昔からの友人や彼氏とはうまくいかなくなる。環境が変わり、思考も仕事に偏ってきたアンドレアは、愚痴を言い合っていた仲間のもとでは居心地が悪くなっていったのだ。

これは誰にでも起こりうる。特に、大学まで一緒にいた友人と社会に出てから飲むと痛感することが多い。自分は上司の愚痴を言いまくっている中、友人は仕事のやりがいや夢を語る。そういう違いは月日が経つと大きくなっていき、気付いた時には一緒に飲むことができなくなってしまっているものなのだ。ガチの成功者が同窓会に顔を出さないのと同じことだ。

環境の変化は痛みを伴う。しかし、自分の望む未来には必要な痛みなのだ。アンドレアの場合、ニューヨークで記者をやるためには、仲間と仕事の愚痴を言い合っているようではダメだったということだ。バリバリに仕事をこなし、世界に影響を与え続けるような人のもとで悔しい思いをしながら前に進むことが、彼女には必要だったのだ。

私たちの生活に落とし込むと、進学や転職をするときに感じる不安が当てはまる。成長に必要な痛みを受け入れ、飛び込んだ環境で適応して頑張っていけるかどうかで人生は変わっていく。

当たり前のことだが、改めてその大切さを感じられる映画だったと思う。

良かった点

アン・ハサウェイが綺麗だったところ。笑

ダサいファッションをしているとはいえ、隠しきれない美しさがあった。

作品としては、環境の変化によって付き合う人が変わっていく痛みが描かれていて良かったと思う。

残念だった点

理不尽なリクエストが意外と簡単にこなされていてリアルさがない。さすがに無理は無理だろという感じがある。笑

終わりに

環境に染まることは、これまでいた人が離れてしまうリスクを負っている。

でも、キャリアを考えたときにその選択ができる気持ちの強さは持っていたいものだ。

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